1 セカンドパートナ―とは?

セカンドパートナーとは、配偶者以外と恋愛関係にある異性のことをいいます。
肉体関係はありませんので、法律上の不貞関係には該当しません。
肉体関係はありませんが、デートや食事をする、スキンシップをとるといった行為はあります。

昨今では、男女関係に対する考え方が多様化しており、セカンドパートナーの捉え方も変化しつつあります。
本コラムでは、セカンドパートナーにはどのような法律問題が関わるのか解説させていただきます。

2 離婚や慰謝料の請求は可能?

(1)離婚の請求について

原則として、夫婦が話し合いで離婚に合意できた場合には、どのような理由でも離婚できます。

話し合いがまとまらない場合には、法律上の離婚事由がある場合に、訴訟(裁判)により強制的に離婚することができます。
離婚訴訟を提起して、法律上の離婚事由を証明することになります。

法律上の離婚事由の代表的なものとして、配偶者が不貞行為を行ったことが挙げられます。
不貞行為とは、法律上、配偶者以外の異性と肉体関係を持つことをいいます。
セカンドパートナーは、肉体関係がありませんので、法律上の不貞行為には該当しないことになります。

そのため、セカンドパートナーがいることのみを理由として、離婚を法的に強制することは出来ないということになります。

もっとも、他の代表的な離婚原因として、婚姻を継続し難い重大な事由が定められています。
これは、夫婦を取り巻く事情を総合的に観察して、婚姻関係が破綻していると言える場合に、離婚が認められる要件となります。
セカンドパートナーがいることのみをもって、婚姻を継続し難い重大な事由に直ちに該当するとは言えませんが、その他の事情を総合して、この要件に該当すると判断されることはあり得ます。

例えば、肉体関係がない宿泊を伴う旅行を頻繁に行っている場合や、デートの際にキスや抱き合うといったスキンシップを繰り返していた場合で、セカンドパートナーとの関係解消を強く求めていたにもかかわらず改善されないときは、その他の事情にもよりますが、離婚が認められる可能性があります。

婚姻を継続し難い重大な事由という要件は、とても抽象的なものです。
そのため、夫婦関係が破綻していることを客観的に説明できるかが重要となります。
客観的にみて離婚が相当であると裁判官に納得してもらえるように、根気強く有利な事情を主張していくことになります。
その事情の一部として、セカンドパートナーがいることを主張することになります。

(2)慰謝料の請求について

慰謝料は、離婚について有責性のある配偶者に対して支払いを求めていきます。
ここでの有責性とは、不貞行為などの離婚原因を生じさせることをいいます。

セカンドパートナーがいることは離婚原因にならないことはご説明したとおりです。
そのため、この点についても、セカンドパートナーがいることのみを理由として、慰謝料の支払いを法的に強制することは出来ないことになります。

もっとも、直ちに慰謝料の原因として認められないとしても、セカンドパートナーとの関係が社会的相当性を逸脱している場合には、慰謝料請求が認められる可能性があります。
肉体関係がない場合であっても、セカンドパートナーとの親密な関係を丁寧に証明することにより、慰謝料請求が認められる場合があると考えられます。
たとえば、「会いたい」「大好き」というメールが頻繁に配偶者へ送信されている場合には、平穏な夫婦生活を妨害するものとして、慰謝料が認められることも考えられます。

3 セカンドパートナ―との関係を許せない場合の対応

セカンドパートナーとの関係を許せない場合、どのような対応が考えられるでしょうか。

まずは、配偶者に対し、セカンドパートナーとの関係解消を要求することは当然のことでしょう。
話し合いの結果、関係解消の合意をした場合には、口頭での合意でも有効です。
もっとも、後日の紛争を避けるため、書面として証拠に残しておくことがお勧めです。
書面の内容として、セカンドパートナーとの交際を再開した場合には、離婚に応じてもらうことや、慰謝料を支払うといったペナルティーを合意しておくことも有効です。

また、仮に関係解消に合意しない場合には、別居をすることも選択肢の一つです。
別居をして距離を置くことで、冷静な話し合いが可能になります。
別居をすることにより、このまま婚姻関係を継続していくのか、離婚に向けて協議を行っていくのか、方向性が定まることもあります。
そのため、もし同居したまま話し合いが進まない場合には、別居を進めることも選択肢の一つです。

仮に別居することになる場合には、収入の少ない方が多い方に対して婚姻費用を請求することができますので、この点も忘れずに対応する必要があります。
婚姻費用は、当事者間で金額が決まれば合意できた金額になりますが、合意できない場合、家庭裁判所に調停の申立てを行うことができます。

4 セカンドパートナーとの問題を弁護士に相談するメリット

(1)離婚や慰謝料の請求について判断できる

ご説明いたしましたように、セカンドパートナーがいた場合、離婚と慰謝料の請求については、原則的には認められないことになります。
もっとも、例外的に認められることもありますが、認められるかどうかは、ご夫婦を取り巻く事情について総合的に考慮する必要があります。
その事情を丁寧に確認して、証拠に基づく証明ができるのかどうか、相手の配偶者からはどのような反論が想定されるのか、法的な観点に基づいて検討する必要があります。

このような検討を一般の方が行うことは難しいと思いますので、弁護士に相談することがお勧めです。

(2)調停や訴訟といった裁判手続きにも対応が可能

仮に調停や訴訟といった裁判所での手続きに移行した場合、弁護士が代理人となることができます。
その場合、手続き前からご相談をお受けしていた弁護士であれば、ご相談者様の事情に詳しいため、裁判所に対しても適切に対応することができます。

調停や訴訟においては、法的観点に基づく主張と証拠が必要となります。
この点についても、弁護士が必要な証拠を選択し、事実関係を主張することができますので、対応を弁護士に一任することができます。

5 離婚や慰謝料の問題は当事務所にご相談ください

セカンドパートナーに関係する離婚や慰謝料の請求は、認められないのが原則であり、難しい法的問題の一つです。
配偶者が「セカンドパートナーは不貞行為に該当しない」ということを理解して関係を持っていることもあり、離婚や慰謝料の請求に対して強く反発してくることもあり得ます。
そのため、当事者同士では交渉が難航することも考えられるところです。
セカンドパートナーに関係する離婚や慰謝料の請求についてお悩みの方は、ぜひ一度当事務所にご相談ください。

(弁護士・荒居憲人)

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