弁護士木村哲也

前回のコラムでも少し触れましたが、離婚の際に子どもの親権を取れなそうだ、あるいは離婚後に親権者の変更は難しそうだとなったときに、「インターネットで、親権者と監護権者を分けることができると書いてあったから、そのようにしたい」と口にされる方が少なからずいらっしゃいます。

しかし、親権者と監護権者を分けることは不適切であるのが原則です。
例えば、監護権者は子どもをある学校に進学させたいと考えているが、親権者がこれを認めないなど、方針の違いによるトラブルが生じた場合、子どもに重大な悪影響が及びます。
親権も監護権も子どもの利益のためのものです。
そうである以上、親権者と監護権者を分けることは、原則として不適切であると言わざるを得ないのです。

インターネットでは、親権者と監護権者を分けることに肯定的な書きぶりをしているサイトも見受けられますが、惑わされないようにしてください。

(弁護士・木村哲也)

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当事務所の弁護士が書いたコラムです。ぜひご覧ください。

No 年月日 コラム
37 R6.9.30 モラハラ夫との離婚後のトラブルを防ぐためのポイント(弁護士・神琢磨)
36 R6.9.4 離婚する専業主婦の年金分割について(弁護士・下山慧)
35 R6.4.1 住宅を任意売却する場合のタイミングは?(離婚前?離婚後?)(弁護士・下山慧)
34 R6.2.21 養育費が支払われなくなったときの対応(弁護士・畠山賢次)
33 R5.8.7 モラハラの冤罪・偽装・でっち上げへの対処法(弁護士・木村哲也)
32 R5.6.27 「子どもを考えるプログラム」について(弁護士・木村哲也)
31 R5.4.11 モラハラの被害に遭われた方へ(弁護士・木村哲也)
30 R4.12.6 配偶者からの誹謗中傷への対処(弁護士・畠山賢次)
29 R4.10.18 離婚における公正証書作成のポイントを弁護士が解説(弁護士・山口龍介)
28 R4.10.6 別居中に配偶者や弁護士から連絡が来た場合の対処法(弁護士・荒居憲人)
27 R4.8.16 DV冤罪・偽装DV・でっち上げDVへの対応方法と予防策(弁護士・木村哲也)
26 R4.8.10 「妻は夫に無断で子どもを連れて黙って家を出れば、子どもの親権を取ることができる」は本当なのか?(弁護士・木村哲也)
25 R4.7.1 多産DVとは?妻ができる解決方法と相談窓口について(弁護士・荒居憲人)
24 R4.2.17 青森市に「青森シティ法律事務所」を開設しました。(弁護士・木村哲也)
23 R3.1.21 親権者変更が認められる類型と手続(弁護士・木村哲也)
22 R3.1.18 離婚・別居時の夫婦間の子どもの奪い合いトラブルの解決手続(弁護士・木村哲也)
21 R2.5.11 LINEでのビデオ通話による法律相談対応を開始しました。(弁護士・木村哲也)
20 R2.3.5 婚姻費用分担の審判を家庭裁判所に申し立て、その審理中に離婚が成立した場合であっても、婚姻費用分担の請求権は消滅しないとの最高裁判所の判断が示されました。(弁護士・畠山賢次)
19 R2.1.21 養育費・婚姻費用の算定表が改訂されました。(弁護士・畠山賢次)
18 H31.4.23 バックアッププランのご案内(弁護士・木村哲也)
17 H30.9.18 DVの被害に遭われた方へ(弁護士・木村哲也)
16 H29.10.31 不倫慰謝料問題に特化した専門サイトを開設しました。(弁護士・木村哲也)
15 H29.10.11 小さいお子様をお連れの方も、安心して当事務所をご利用ください。(キッズスペースのご案内)(弁護士・木村哲也)
14 H29.8.4 面会交流への寛容性は、親権者判断にどの程度影響してくるのか?親権が争われた裁判で、父親が逆転敗訴した事件から見える親権者判断の現状。(弁護士・山口龍介)
13 H29.6.12 離婚調停を弁護士に依頼するメリット②(弁護士・山口龍介)
12 H29.6.7 離婚調停を弁護士に依頼するメリット①(弁護士・山口龍介)
11 H28.9.28 長期間別居している方の離婚について(弁護士・木村哲也)
10 H28.1.6 相談料は初回無料です。お気軽にご相談ください。(弁護士・木村哲也)
9 H27.6.1 産後クライシスについて(弁護士・山口龍介)
8 H27.5.20 不倫・浮気のケースにおける秘密録音のポイント(弁護士・木村哲也)
7 H27.5.13 録音した音声は訴訟(裁判)で証拠として使えるか?(弁護士・木村哲也)
6 H27.4.1 子どもとの面会交流を諦めていませんか?(弁護士・木村哲也)
5 H27.4.1 不倫・浮気の証拠となるメールを発見したときの対処法(弁護士・木村哲也)
4 H27.3.10 婚姻費用の分担請求をご存知ですか?(弁護士・山口龍介)
3 H27.3.10 裁判官は実際のところどうやって親権を決めるの?(弁護士・山口龍介)
2 H27.3.10 親権者と監護権者を分けるという考え方は基本的に誤りです。(弁護士・木村哲也)
1 H27.3.10 親権者を決める際は慎重に(弁護士・木村哲也)