裁判所から離婚訴訟の訴状が届いたという方はいらっしゃいませんか?

離婚調停が不成立や取下げで終了した場合には、後日、裁判所から、離婚訴訟の訴状などの書類一式が届くことがあります。
裁判所から訴状が届いたということは、配偶者が裁判所に離婚の裁判(離婚訴訟)を申し立てたということです。

・もし訴状を無視して放置したら、どうなるのか。指定された日に裁判所に来るようにと書かれているが、もし行かなければどうなるのか。
・離婚調停は自分一人で対応したが、離婚の裁判(離婚訴訟)では弁護士に頼んだ方がいいのか。

このページでは、裁判所から離婚訴訟の訴状が届いた場合の対応について解説いたします。

放置・無視、裁判期日の無断欠席は厳禁

訴状が届いているにもかかわらず、これを放置・無視して、裁判期日(裁判の日程)の無断欠席を続けた場合には、裁判所は、配偶者の主張や配偶者が提出した証拠のみに基づいて、基本的には配偶者の請求を認める内容の判決を出してしまいます。

例えば、配偶者が離婚を求めていて、ご自身は拒否しているという場合に、離婚を希望しないからといって、放置・無視・無断欠席を続ければ、裁判所は、基本的には配偶者が求めるとおりに離婚を認める判決を出すでしょう。

また、配偶者が離婚とともに財産分与や慰謝料を請求していて、ご自身は支払う理由はないと拒否している場合に、支払を拒否するからといって放置・無視・無断欠席を続ければ、裁判所は、基本的には配偶者の言い分と提出証拠に基づいて、財産分与や慰謝料を認める判決を出すでしょう。

とにかく、裁判所から訴状を受け取った場合には、きちんと対応する必要があるのであり、反論があるのであればなおさら、放置・無視して裁判期日を無断欠席するということは厳禁です。

書面・証拠の作成・提出

離婚調停では、当事者が自身の言い分を調停委員に伝えて、調停委員を仲介者として話し合いを進めて行きます。
したがって、書面・証拠の作成・提出が求められるシーンは、それほど多くはありません。
これに対して、離婚訴訟では、当事者が自身の主張を記載した書面を提出したり、その主張を裏付ける証拠を提出したりしながら、自身の言い分の正当性を逐一裏付けていかなければなりません。
しかも、書面への記載の仕方(形式)や提出の方法には実務上のルールがありますので、このルールに従って記載・提出していく必要があります。

また、主張・証拠の出し方が不十分であったり、逆に余計な主張・証拠があったりすると、裁判所に事実関係がうまく伝わらなかったり、しっかりと証明できなかったりする結果、自身の主張が認められないという結果にもなりかねません。
したがって、自身の主張を裁判所に認めてもらうためには、どのような事実関係が存在することを言わなければならないのか、そして、その事実関係を裏付けるためには、どのような証拠を出さなければならないのかなどについて、十分に検討しながら対応していく必要があります。

ここで、離婚訴訟への対応を弁護士に依頼した場合には、裁判上の書面を作成して提出することや、必要な証拠を精査して提出することなど、全面的に弁護士に任せることができます。
また、弁護士は、専門的な知識と裁判の経験により、何を主張しなければならないのか、何を証拠として提出しなければならないのか等を熟知しています。
そのため、弁護士は、離婚訴訟において、依頼者の主張を認めてもらうためにベストの活動をすることができます。
また、裁判の手続は非常に専門的で複雑であるため、ご自身での対応が困難なことも多く、弁護士へのご依頼をご検討いただくのが最善の対応であると思われます。

裁判期日への出席

離婚訴訟の裁判期日は、調停と同じく、平日の日中に行われます。
また、指定された日時に、裁判所へ出頭しなければならないのが原則です。
仮に仕事があったり、家事・育児などの用事があったりしても、基本的には、時間を調整するなどして出席しなければなりません(もっとも、第1回の裁判期日は、答弁書という訴状に対する反論の書面だけを提出して、欠席することが認められます。しかし、第2回の裁判期日からは、出席することが必須となります)。

仮にご自身が裁判期日を欠席した場合、裁判所は、配偶者の出席だけで手続を進めます。
そして、配偶者の主張や配偶者が提出した証拠だけが裁判所に伝わることになり、基本的には配偶者の請求を認める内容の判決が出されてしまいます。

ここで、離婚訴訟の手続への対応を弁護士に依頼した場合には、尋問などのように本人が手続上出席しなければならない場合を除き、弁護士だけの出席で手続を進めることができます。
この点は、弁護士に依頼した場合であっても、基本的に毎回本人が出席しなければならない離婚調停とは異なるところです。
したがって、弁護士に対応を依頼すれば、裁判期日のために仕事を休んだり、家事・育児の時間を削ったりする必要はなくなります。

弁護士にご相談ください

第1回の裁判期日は、配偶者が訴状を裁判所に提出した日からおよそ1か月後に指定されていることが多いです。
その裁判期日への出席はもちろんのこと、それまでに提出しなければならない答弁書などの書面もあります。
そして、裁判所から訴状が届いた場合に、きちんと対応していかないと大変なことになってしまうこと、裁判の手続は非常に専門的で複雑であるため、弁護士に依頼することが最善の対応であると言えることは、以上でご説明したとおりです。

当事務所の弁護士は、これまでに、離婚に関するご相談・ご依頼を多数取り扱っており、離婚訴訟の対応実績も豊富にございます。
裁判所からの訴状を受け取って対応にお困りの方は、お気軽に当事務所にご相談いただければと存じます。

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