保護命令とは

保護命令とは、配偶者等(相手方)からの暴力を防ぐために、裁判所が、相手方に対し、一定期間の接近禁止や住居からの退去等を命じることをいいます。保護命令に違反した場合には、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金といった刑事罰が科せられることにもなります。

保護命令の発令を求めるには、裁判所に対し、保護命令申立書および証拠資料等を添えて、申立てを行う必要があります。保護命令の申立てがなされると、相手方にも弁明の機会が与えられますので、相手方としては、裁判官との面接(審尋)において、自らの言い分を伝えることになります。

保護命令が発令されるためには、申立人が、①相手方から身体に対する暴力または生命・身体に対する脅迫を受けており、②今後、身体に対する暴力を振るわれて生命や身体に重大な危害を受けるおそれが大きいと認められる必要があります。そのため、裁判所は、申立人の主張や、相手方の弁明、証拠資料等を踏まえて、保護命令を発令するかどうかを決めることになります。

保護命令の裁判は、緊急性が高いため、発令されるか否かが迅速に判断されるといった特徴があります。

保護命令申立書が届いた場合の対応

保護命令申立書が届いたということは、あなたの配偶者等が裁判所に保護命令の申立てを行ったということに他なりません。また、裁判所から届いた通知書の中には、あなたの審尋期日の日程が記載された書面も同封されているはずです。

ここで注意していただきたいのは、そのような裁判所からの通知を無視して、審尋期日に無断で欠席してはいけないということです。仮に、あなたが、配偶者等に対して暴力を振るったことなどがないのであれば、なおさら、審尋の機会において、きちんと弁明(反論)を行う必要があります。そのような弁明を行わないと、申立人である配偶者等の主張や提出資料等のみに基づいて、保護命令が発令されてしまうことにもなりかねません。そうすると、あなたに対して、接近禁止の命令が下され、一定の期間、申立人である配偶者や子どもに会ったり、連絡を取ったりすることもできない状態となってしまいます。

また、その後の離婚調停や離婚訴訟においても、あなたが保護命令の発令を受けたということだけではなく、あたかもDVを行った人物であるとの前提で手続が進められてしまうことにもなりかねません。そうなると、離婚が認められるかどうかという点や、子どもの親権者は誰にするべきかという点、慰謝料の支払義務があるのかどうかという点においても、あなたが非常に不利に扱われてしまう可能性が高いのです。

保護命令が発令された後の対応

保護命令の手続は、発令されるか却下されるかの判断が非常に早いのが特徴であり、申立人の側から相応の証拠資料が提出された場合には、保護命令が発令されることが多いです。それでは、実際に保護命令が発令された後には、どのように対応するべきなのでしょうか。

まず、保護命令に不服があれば、即時抗告の手続(上級の裁判所に不服申立てをする手続)を取ることで、その命令の有効性を争うことができます。そのため、仮に、事実無根の理由で保護命令が発令された場合には、即時抗告の手続を取るのかどうかを検討することになります。

もっとも、保護命令が一旦発令された以上は、その保護命令に違反してはいけません。先ほど説明した即時抗告の手続を取ったとしても、その期間中でも保護命令自体は有効な状態ですから、命令に違反しないように注意しなければいけません。仮に保護命令に違反すれば、刑事罰が科せられることにもなります。また、それ以外にも、その後の離婚調停や離婚裁判でも、あなたが保護命令を無視するような人物であり、極めてモラルや社会常識に欠けた人物であるとの印象を与えてしまうことにもなり、不利な立場に置かれてしまいます。

接近禁止の命令の期間は6か月ですが、この期間が終わると同時に再度の保護命令の申立てがなされるケースもありますので、その際にも適切に対応することが必要です。再度の申立てに対しては、改めてあなたの言い分を伝える必要があり、例えば、保護命令中には特段の問題はなかったことなどを主張していくことになります。

弁護士にご相談ください

以上のような保護命令の手続は、対応した経験がないという方がほとんどであると思います。保護命令が申し立てられた場合には、保護命令の手続への対応はもちろん、その後には離婚協議や離婚調停・離婚訴訟が控えていることが通常は想定されます。したがって、今後の手続がどのように展開していくのか等について、まずは保護命令や離婚の手続に精通した弁護士にご相談いただくのがよいでしょう。

八戸シティ法律事務所では、これまで、保護命令や離婚の手続について、多数のご相談やご依頼を受けてきた実績がございます。裁判所から保護命令申立書を受け取って対応にお困りの方がいらっしゃいましたら、お気軽に八戸シティ法律事務所にご相談いただければと存じます。

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