モラハラ(モラルハラスメント)とは、言葉や行動、態度による嫌がらせのことです。
家庭内におけるいじめのようなものであり、精神的暴力・精神的虐待とも言われます。
このページでは、モラハラの被害による慰謝料の相場や、証拠についてご説明させていただきます。

モラハラと慰謝料

モラハラにより精神的苦痛を受けた被害者は、慰謝料を請求することができます。
しかし、モラハラの加害者が自らの非を認めて素直に慰謝料を支払ってくることは、ほとんどありません。
加害者が自らのモラハラ行為を認めない場合には、慰謝料を請求する側が証拠をもってモラハラの事実を証明しなければならないという問題があります。
モラハラの事実を証明する証拠については、後述いたします。

モラハラによる慰謝料の相場

モラハラによる慰謝料は、モラハラ行為の内容、モラハラ行為が行われた期間、モラハラ行為が夫婦関係に与えた影響などを考慮して算出されます。
結婚期間が長く、長期間にわたってモラハラ行為が繰り返された結果、夫婦関係が破たんするに至った場合には、慰謝料は高額になります。

モラハラによる慰謝料の相場は、一般的には50万円~300万円程度であると考えられます。
裁判例では、100万円前後の慰謝料が認められた事例が多いように見受けられます。

モラハラの事実を裏付ける証拠

モラハラは、家庭内における「言った、言わない」の問題になりがちであり、証拠の確保が難しいことも少なくありません。
しかし、以下のようなものは、モラハラの事実を裏付ける証拠として使える可能性があります。

音声データ(モラハラ行為があった際の加害者の言動を録音したもの)
LINE・メール(加害者からの攻撃的なメッセージ。あるいは、モラハラの被害について親族・友人などに相談したもの)
物的証拠(加害者が物に当たって壊した跡の写真など)
警察など公的機関に相談した際の記録
精神疾患の診断書(モラハラの被害により精神疾患にかかった場合)
日記(モラハラの被害内容を具体的に記録したもの)
目撃者の証言(加害者のモラハラ行為を目撃した人がいる場合) など

証拠としての有効性は、証拠によって異なります。
例えば、加害者の言動を録音した音声データ、加害者からの攻撃的なLINE・メールなどは、客観性が高く有力な証拠となる可能性があります。
一方で、精神疾患の診断書ではモラハラの事実の存在まで裏付けることは難しく、日記はご自身で作成するものであることから客観性が低く、証拠としての価値は高くないと考えられるのが一般的です。
また、目撃者の証言についても、身内(親族・友人など)の証言は一般的に信用性が低いものと考えられており、他の証拠なく証言だけでモラハラの事実を裏付けることは困難なことが多いです。

モラハラの被害による離婚を進めるうえでの諸問題

モラハラの被害による離婚では、モラハラの被害で離婚できるか?という問題や、モラハラの被害者が別居や離婚の手続を進める際のポイントなど、様々な問題があります。
詳しくは、次の解説記事をご参照ください。

>>>モラハラの被害による離婚について

弁護士にご相談ください

モラハラの被害による離婚や慰謝料についてお悩みの方がいらっしゃいましたら、お気軽に当事務所にご相談ください。
当事務所では、これまでに、モラハラの被害による離婚・慰謝料に関するご相談・ご依頼を多数お受けして参りました。
対応経験・解決実績が豊富な当事務所の弁護士に、ぜひ一度、ご相談いただければと存じます。

慰謝料についてはこちらもご覧下さい

●離婚における慰謝料について
●DV・暴力の被害による離婚の慰謝料
●モラハラの被害による離婚の慰謝料
●不倫・浮気の被害による離婚の慰謝料
●慰謝料請求の手続

慰謝料が問題となった解決事例

慰謝料