配偶者の不倫・浮気に気付き、配偶者に不倫・浮気の事実を問い詰めても、簡単に認めないケースも多いでしょう。
配偶者が自身の不倫・浮気を認めない場合や、配偶者の不倫・浮気の証拠がない場合に、GPSを使って配偶者の不倫・浮気の調査をする例が散見されます。

結論から先にお答えいたしますと、GPSを使って配偶者の不倫・浮気の調査をすることは、違法と判断される可能性がありますので、お勧めできません。

以下では、位置情報の調査方法に分けて、解説いたします。

GPS機器を車に設置する場合

夫婦いずれかの名義の車にGPSを設置する場合について、令和5年2月に施行となった青森県迷惑行為等防止条例の一部改正により、GPS機器を設置する行為、GPS機器を用いて位置情報を取得する行為が規制・処罰の対象となりました。
そのため、たとえ同居中の配偶者の車であったとしても、青森県迷惑行為等防止条例によって処罰されてしまう可能性があります。

また、夫婦がすでに別居状態の場合にGPSを設置する行為は、配偶者のプライバシー権を不当に侵害するものとして違法となると考えられます。
そして、別居状態で配偶者が使用している車にGPSを設置する場合には、他人の私有地に違法な目的をもって立ち入ることとなるため、住居侵入罪が成立する可能性もあります。
その他、令和3年にストーカー規制法が改正され、GPS機器を設置する行為、GPSを用いて位置情報を取得する行為が処罰の対象となったため、別居状態でこのような行為をした場合には、ストーカー規制法によって処罰されてしまう可能性もあります。

さらに、GPS機器を設置する車が、夫婦のいずれの名義でもなく、配偶者の会社の車や、浮気相手の車であるような場合には、プライバシー権の不当な侵害やストーカー規制法により違法であると考えられます。

なお、GPS機器を設置する際に、車の内装・外装を破損させたような場合には、器物損壊罪が成立することがあります。

GPS追跡アプリを配偶者に無断で配偶者のスマートフォンにインストールする場合

近年、様々なアプリが開発され、相手のGPS情報を取得し、行動を追跡できるアプリやソフトが多数存在します。
このようなソフトを、配偶者の承諾なく、配偶者のスマートフォンにインストールする場合には、不正指令電磁的記録供用罪等の犯罪に該当することとなり、違法です。
また、スマートフォンは、個人で所有・使用するものであり、夫婦で共用するものではないため、配偶者に無断でGPS追跡アプリをインストールし、位置情報を取得する行為は、同居している場合であっても、ストーカー規制法に違反すると判断され、違法となる可能性が高いといえるでしょう。

以上から、GPS追跡アプリを配偶者に無断で配偶者のスマートフォンにインストールするのは、違法であると判断されることになるでしょう。

GPS機器を配偶者の服・所持品などに忍び込ませる場合

外出する際に着用する服・鞄などの所持品というのは、一般的に夫婦であっても共用しないものと思います。
そのため、夫婦で共用していない配偶者の服や所持品にGPS機器を忍び込ませる行為は、同居している場合であっても、ストーカー規制法に違反すると判断され、違法となる可能性が高いといえるでしょう。
また、プライバシー権を不当に侵害することを理由に違法になる可能性が高いといえるでしょう。

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47 配偶者が私に無断で子どもを連れて家を出て、別居状態になりました。子どもの親権が欲しいのですが、どうすればよいでしょうか?
48 配偶者と別居中です。子どもは自分と同居しており、配偶者から子どもとの面会交流を求められているのですが、配偶者に子どもを連れ去られるのではないかと心配です。どのようにすればよいのでしょうか?
49 配偶者と同居していた家を出て、別居状態となったのですが、住民票は移すべきですか?
50 家庭裁判所調査官は、どのような調査をしますか?
51 家庭裁判所調査官とは、どのような人ですか?
52 家庭裁判所の調停の手続は、どのような流れで進んでいきますか?
53 家庭裁判所調査官の調査結果(調査報告書)は、裁判官の判断にどのような影響がありますか?
54 調停委員とは、どのような人ですか?
55 家庭裁判所の調停では、弁護士に依頼している場合でも、本人が裁判所へ出席する必要がありますか?
56 家庭裁判所の調停では、相手方(配偶者)と顔を合わせることになりますか?
57 相手方(配偶者)が遠方に住んでいる場合には、どこの家庭裁判所で調停手続が行われますか?
58 離婚の訴訟の手続では、弁護士に依頼している場合でも、本人が裁判所に出席する必要がありますか。
59 相手方(配偶者)が遠方に住んでいる場合には、どこの家庭裁判所で離婚の訴訟の手続が行われますか?
60 親権者を変更するためには、どのような手続が必要ですか?
61 離婚の訴訟の手続は、どのような流れで進んでいきますか?
62 親権者の変更は、どのような場合に認められますか?
63 収入が少なくても子どもの親権者になれますか?
64 うつ病などの精神疾患があっても、子どもの親権者になれますか?
65 夫からDV(暴力)を受けており、逃げ出したいのですが、まずはどのように動けばよいのでしょうか?
66 モラハラ(モラルハラスメント)とは?
67 GPSを使って配偶者の不倫・浮気の調査をすることは違法ですか?
68 モラハラ(モラルハラスメント)を理由として離婚を要求することはできますか?
69 モラハラ(モラルハラスメント)を理由として慰謝料を請求することはできますか?
70 夫婦いずれかの名義の事業用財産(自営業者の場合)は、財産分与の対象となりますか?
71 夫婦のいずれかが経営する会社・法人の名義の財産は、財産分与の対象となりますか?
72 子ども名義の預金は、財産分与の対象となりますか?
73 単身赴任の場合の財産分与の基準時は?
74 キャバクラ通い・スナック通いをしたことは、離婚や慰謝料請求の原因になりますか?
75 デリバリーヘルス(デリヘル)などの風俗を利用したことは、離婚や慰謝料請求の原因になりますか?
76 過去に不倫・浮気をしたのですが、配偶者から許しを得ました。その後、夫婦関係が悪化したので離婚を求めたいのですが、過去に不倫・浮気をした私からの離婚の請求は難しいのでしょうか?
77 配偶者が過去に不倫・浮気をしたのですが、一旦許しました。その後、夫婦関係が悪化したので離婚を求めたいのですが、配偶者の過去の不倫・浮気を理由とする離婚の請求は認められますか?
78 離婚の原因を作った責任がある側(有責配偶者)からの離婚の請求は認められますか?
79 夫婦の両方に離婚の原因を作った責任(有責性)がある場合、離婚の請求は認められますか?
80 不倫・浮気の事実を裏付ける証拠にはどのようなものがありますか?
81 養育費の標準算定方式による計算方法は?
82 婚姻費用の標準算定方式による計算方法は?
83 婚姻費用の金額は、どのようにして決めるのでしょうか?
84 婚姻費用の金額は、一度決めたら増額や減額はできないのでしょうか?
85 不貞慰謝料と離婚慰謝料の違いは?
86 円満調停とは?
87 肉体関係(性交渉・性関係)がないのに慰謝料を請求されています。慰謝料を支払う必要はあるのでしょうか?
88 不倫・浮気をした場合でも、子どもの親権者になれますか?
89 性格の不一致を理由として離婚することはできますか?
90 性格の不一致を理由として慰謝料を請求することはできますか?
91 離婚原因の「悪意の遺棄」とは?
92 離婚原因の「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」とは?
93 別居婚(週末婚・通い婚)から離婚する場合に財産分与は認められますか?
94 別居と同居を繰り返した場合の財産分与はどうなりますか?