次のような手順で計算します。
①夫婦の基礎収入の合計を計算する。
②子どもとの同居状況に応じて夫婦それぞれの生活費指数を計算する。
③夫婦それぞれに必要となる生活費の年額を計算する。
④必要となる生活費の年額に不足している金額を計算する。

【設例】
夫婦間に2人の子ども(16歳と12歳)がいる。
妻が2人の子どもを連れて家を出て、夫とは別に生活している。
夫は給与所得者で年収が600万円である。
妻は給与所得者で年収が200万円である。

①夫婦の基礎収入の合計を計算する。

年収額に以下の基礎収入割合を掛けて、夫婦それぞれの基礎収入を計算します。

給与所得者の基礎収入割合

年収額 基礎収入割合
~75万円 54%
~100万円 50%
~125万円 46%
~175万円 44%
~275万円 43%
~525万円 42%
~725万円 41%
~1325万円 40%
~1475万円 39%
~2000万円 38%

自営業者の基礎収入割合

年収額 基礎収入割合
~66万円 61%
~82万円 60%
~98万円 59%
~256万円 58%
~349万円 57%
~392万円 56%
~496万円 55%
~563万円 54%
~784万円 53%
~942万円 52%
~1046万円 51%
~1179万円 50%
~1482万円 49%
~1567万円 48%

給与所得者の基礎収入割合

年収額 基礎収入割合
~75万円 54%
~100万円 50%
~125万円 46%
~175万円 44%
~275万円 43%
~525万円 42%
~725万円 41%
~1325万円 40%
~1475万円 39%
~2000万円 38%

自営業者の基礎収入割合

年収額 基礎収入割合
~66万円 61%
~82万円 60%
~98万円 59%
~256万円 58%
~349万円 57%
~392万円 56%
~496万円 55%
~563万円 54%
~784万円 53%
~942万円 52%
~1046万円 51%
~1179万円 50%
~1482万円 49%
~1567万円 48%

【設例の場合】
・夫の基礎収入:600万円×41%=246万円
・妻の基礎収入:200万円×43%=86万円
・夫婦の基礎収入の合計:246万円+86万円=332万円

②子どもとの同居状況に応じて夫婦それぞれの生活費指数を計算する。

子どもと同居している側は自分(大人1人)と子どもの生活費指数の合計、子どもとは別に暮らしている側は自分(大人1人)の生活費指数を計算します。
生活費指数の数値は、以下のとおりです。

生活費指数

大人 100
15歳以上の子ども 85
14歳以下の子ども 62

生活費指数

大人 100
15歳以上の子ども 85
14歳以下の子ども 62

【設例の場合】
・夫の生活費指数:100
・妻と2人の子ども(16歳と12歳)の生活費指数:100+85+62=247

③夫婦それぞれに必要となる生活費の年額を計算する。

上記①で計算した夫婦の基礎収入の合計を、上記②で計算した生活費指数で按分することにより、夫婦それぞれに必要となる生活費の金額を算出します。

【設例の場合】
・夫婦の基礎収入の合計:332万円
・夫の生活費指数:100
・妻と2人の子ども(16歳と12歳)の生活費指数:247
・夫に必要となる生活費:332万円×100/(100+247)≒95万7000円
・妻に必要となる生活費:332万円×247/(100+247)≒236万3000円

④必要となる生活費の年額に不足している金額を計算する。

上記③で計算したその人に必要となる生活費から、上記①のその人の基礎収入を差し引くことにより、必要となる生活費に不足している金額を算出します。
この不足額が婚姻費用の年額です。
12か月で割ることにより、婚姻費用の月額が算出されます。

【設例の場合】
・妻に必要となる生活費:236万3000円
・妻の基礎収入:86万円
・婚姻費用の年額:236万3000円-86万円=150万3000円
・婚姻費用の月額:150万3000円÷12か月≒12万5000円