直ちに、子の引渡しに関する審判及び子の監護者指定の審判並びにこれらに関する仮処分の申立てをすべきです。
親権に争いがある場合、どちらを親権者とした方が子にとっての利益となるかという基準で判断されます。
子にとって利益になることを判断する際には、様々な事情が考慮されますが、特に重視されるのは、これまでの監護状況や現在の監護状況といった事情です。
つまり、なるべく子どもの生活環境を維持して子を養育していくのが望ましいと考えられています。
そして、一般的には、別居状態、すなわち、配偶者が一人で子どもを養育する時間が長く続けば続くほど、そのような生活環境が子どもにとって安定した生活環境となっていくことになります。
そのため、時間が経つほど別居状態の監護状況を維持すべきと判断がされる可能性が高くなり、親権を勝ち取るのが困難になっていきます。
このような状況になることを避けるため、配偶者が無断で子どもを連れて家を出ていった場合には、直ちに、子の引渡しに関する審判と子の監護者をご自身と指定する審判の申立てを行うべきです。
そして、子の引渡し等が認められたら、離婚調停の申立てを行うことになります。
なお、子の引渡しに関する審判等の手続きにおいても、これまでの監護状況や現在の監護状況が重視されます。
そのため、これらの審判手続きにおいて子の引渡し等が認められるかどうかは、その後の離婚調停における親権の判断に大きく影響することになります。