公共料金、マンションの管理費、修繕積立金、駐車場代は、婚姻費用の金額に影響します。
しかし、火災保険料、固定資産税は、影響しません。
婚姻費用は、別居する妻の生活費として支払われるものです。
そして、妻が住んでいる家・マンションの水道・ガス・光熱費、電話料金、携帯電話料金、インターネット利用料といった公共料金、マンションの管理費、駐車場代は、妻がその家・マンションで暮らすための生活費です。
したがって、夫がこれらを支払っている場合には、その分、婚姻費用の金額を一定程度減額すべきであると考えられています。
どの程度減額されるかについては、個々の事案によって異なります。
夫が実際に支払っている月額の平均を取って、婚姻費用の金額から全額減額したケースや、厳密な計算はせずに婚姻費用を1~2万円減額したケースなど様々ですが、多くの場合には全額が減額されています。
また、マンションの修繕積立金は、妻がそのマンションに住むための費用という側面だけでなく、夫が所有するマンションの維持費という側面もあるので、管理費ほどではないものの、婚姻費用の金額を一定程度減額すべきであると考えられています。
どの程度減額されるかについては、これも個々の事案によって異なります。
妻がそのマンションに住み続けることを希望する理由、修繕積立金の額、減額後の婚姻費用が少なくなりすぎないかなど、諸々の事情が考慮されますが、一例として、修繕積立金の1/3が減額されたケースがあります。
一方、火災保険料、固定資産税は、妻がその家・マンションで暮らすための生活費ではなく、夫が所有する家・マンションの維持費になりますので、夫がこれらを支払っている場合でも、婚姻費用を減額すべきでないと考えられています。