不倫・浮気による慰謝料請求に対するよくある反論として、「不倫・浮気があった時点で、すでに夫婦関係が破綻していた」という主張があります。
すでに夫婦関係の実態がなくなったあとに性的関係を持った場合は、慰謝料請求は認められません。
このページでは、夫婦関係が破綻していたかどうかを判断する際に重視される要素をご紹介させていただきます。

①別居

不倫・浮気があった時点で別居していたかどうかは、非常に重要なポイントです。
長期の別居が継続されているのであれば、原則として夫婦関係は破綻していると認められます。

これに対し、別居してすぐの時期に不倫・浮気が開始されたという場合は、夫婦関係の破綻が認められることは難しいです。
半年から1年程度の別居では、夫婦関係の破綻を認めないという裁判例が多いように思います。
また、一旦別居しても、後日再び同居した場合は、夫婦関係の破綻は否定されやすいです。

②離婚協議、離婚調停

夫婦関係の破綻が認められるためには、離婚協議が具体的に進んでいることが必要です。
夫婦間で離婚の話が出た、離婚届を書いて配偶者に渡したというだけでは不十分です。

離婚調停については、調停の申立てがあれば、直ちに夫婦関係の破綻が認められるわけではありませんが、他の要素も合わせれば、夫婦関係の破綻が認められる可能性があります。

③夫婦仲の悪化、家庭内別居

配偶者に強い不満を持っていたり、将来離婚したいと思っていたりするだけでは不十分です。
これに対し、家庭内別居の状態に至っていたのであれば、夫婦関係の破綻が認められる可能性があります。
しかし、そう簡単に、家庭内別居の状態に至っていたと認められるわけではありません。
家族旅行・行事等を行っていた、性交渉があった、同じ寝室で寝ていた、一方が家計を管理していたなどの事情があれば、夫婦関係の破綻が認められることは難しいです。

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