不倫・浮気による慰謝料請求をしたときに、不倫・浮気相手から以下のような反論をされることが予想されます。

1 不倫・浮気の事実はない

そもそも不倫・浮気の事実はないという反論です。
相手方が不倫・浮気の事実を認めない場合には、慰謝料請求をする側が不倫・浮気の事実を立証しなければなりません。
そのため、事前に不倫・浮気の証拠を確保しておくことが大切です。

不倫・浮気の証拠になるものは、例えば次のようなものです。

・ラブホテルから出てくる場面などを撮影した写真・ビデオ
(探偵事務所・興信所に調査を依頼するのも良いでしょう)
・異性関係が記載された日記・手帳、手紙・メモ類、メール
・不倫・浮気をしたことを認める一筆(謝罪文など)
・第三者の証言 など

2 配偶者が既婚者であることは知らなかった

配偶者が既婚者であることを知らず、かつ知らなかったことに落ち度がないという場合には、慰謝料請求は認められません。

ただし、①メールや手紙などに、既婚者であることを認識している記載がある場合、②配偶者が「既婚者であることを明かしたうえで、異性関係を持った」と自供している場合、③職場の同僚であり、既婚者であることが分かって当然であるという場合などは、相手方の反論を容易に覆すことができます。

3 慰謝料請求権は時効により消滅している

不倫・浮気による慰謝料を請求する権利は、不倫・浮気があったこと、および不倫・浮気相手を知ったときから、3年で時効にかかります。

ただし、時効が迫っていても、3年が経過する前に内容証明郵便を送付すれば、時効の完成が一旦猶予されて、そこから6か月以内に訴訟を提起することで、時効の完成を阻止することができます。

4 離婚に際して配偶者から慰謝料が支払済みである

不倫・浮気による慰謝料は、不倫・浮気をした配偶者と不倫・浮気相手の連帯責任ですが、すでにいずれかから支払われた部分については、他方に請求することはできません。

例えば、慰謝料として認定されるべき金額が200万円である場合に、離婚の際に配偶者から200万円の慰謝料を受け取っているときは、さらに不倫・浮気相手に対して慰謝料請求を行うことはできません。

5 不倫・浮気があった時点で、すでに夫婦関係は破綻していた

長期の別居等により、すでに夫婦関係が破綻したあとに行われた不倫・浮気については、慰謝料請求は認められません。

ただし、夫婦関係がすでに破綻していたことを立証しなければならないのは、慰謝料請求をされた側です。
夫婦が別居している場合を除いて、この立証は非常に難しいのが通常であり、容易に退けることができるケースがほとんどです。

6 まだ離婚をしていない

離婚に至っておらず、今後も離婚をする予定がないという場合に、被った損害は軽いから慰謝料の金額を減額すべきであるという反論です。
このような場合には、離婚に至った場合と比べて、一般に慰謝料の金額は大幅に減額されます。

不倫・浮気相手から上記のような反論があった場合には、その反論が正当なものかどうか、よく検討する必要があります。
反論に一定の理があると思われる場合には、示談や和解による解決も検討すべきでしょう。

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