はじめに
当事務所では、離婚問題に関するご相談・ご依頼を多数お受けしており、その中には20代・30代の若年層の方の離婚問題も少なくありません。
統計的にも若年層の離婚率が高く、年齢を重ねるごとに離婚率が低下する傾向にあります。
このページでは、20代・30代の若年層の方の離婚について、特徴や様々な問題点をご説明させていただきます。
若年夫婦の離婚の特徴
20代・30代の若年夫婦の離婚には、以下のような状況にあることが多いという特徴があります。
子どもがいる場合にはまだ小さい
夫婦間に子どもがいる場合、父親・母親が20代・30代であれば子どもは小学生以下ということが多いでしょう。
このように子どもが幼い場合には、後述のように親権や面会交流について揉めることがあります。
住宅ローンがある場合にはまだオーバーローンである
結婚後に住宅ローンを組んでマイホームを取得した場合、20代・30代の若年であれば住宅の価値よりも住宅ローンの残高の方が高いことがほとんどでしょう。
これをオーバーローンと言うのですが、後述のように財産分与の際にオーバーローンの住宅をどうするのかが大きな問題となることがあります。
経済的に十分な余裕がない
20代~30代前半くらいの若年層は、経済的に十分な余裕がないことが多いです。
50代以上の熟年離婚などと比較して、財産分与や慰謝料の額が少なくなりがちであると言えます。
離婚ができるかどうかの問題
離婚を考えたときに、まず問題となり得るのが「そもそも離婚ができるかどうか」の問題です。
この点、夫婦がお互いに離婚に同意している場合には、離婚自体は可能です。
しかし、ご自身が離婚を希望するのに対し、相手方が離婚を拒否する場合には、法律上の離婚原因(不倫・浮気、DV、長期間の別居など)がなければ、簡単に離婚することはできません。
そこで、離婚の条件について一定の配慮・譲歩するなどして、粘り強く話し合いを行う必要があるでしょう。
子どもの問題
未成年の子どもがいる場合には、親権者を父親・母親のどちらかに決めなければなりません。
子どもが中学生以上など自分で意思表示ができる年齢であれば、子どもの希望を慎重して、夫婦間で親権者をどちらにするかの合意ができることが多いでしょう。
しかし、子どもがまだ幼い場合には、親権者をどちらにするかについて、夫婦間で争いになることもあります。
このように、夫婦がお互いに子どもの親権について譲らないという場合には、家庭裁判所の調停や裁判で親権を争うことになります。
この点、子どもが幼い場合には母親が親権者として指定される可能性が高いと言えます。
また、子どもの養育費や面会交流についても、離婚をする際に取り決めておくべきです。
子どもの養育費や面会交流について揉めることも珍しくありませんが、子どもが健全に成長していくためには、養育費の支払や面会交流の実施は重要です。
子どもの利益という観点から、養育費や面会交流について話し合っていく必要があるでしょう。
お金の問題
離婚をする際には、結婚期間中に増加した財産の分配を請求することができます。
これを財産分与と言います。
ただし、20代~30代前半くらいの若年夫婦の場合には、結婚期間が短いため、結婚期間中に増加した財産がなく財産分与が問題とならないということも少なくありません。
一方で、住宅ローンがある場合には、20代・30代の若年夫婦であればオーバーローンであることが通常であるため、揉める原因となりがちです。
この点、住宅に住み続けることを希望する側が住宅を取得する代わりに、住宅ローンを支払い続けるという処理になることが比較的多いです。
しかし、住宅ローンが夫婦の連帯債務である場合に、住宅を取得しない側が連帯債務者から外れられるのかなどの問題で揉めることもあります。
また、相手方が不倫・浮気やDVなど離婚の原因を作った場合には、慰謝料を請求することができます。
ただし、20代~30代前半くらいの若年層は、収入や資産が多くないことが通常であるため、相場どおりの慰謝料を支払わせるのが難しいことがあります。
無理に慰謝料を取ることにこだわるよりも、相手方の支払能力に応じて譲歩して早期解決を図る方が得策と言える場合もあります。
慰謝料を分割して養育費に上乗せして支払わせる方法なども考えられますので、離婚後の生活設計と相手方の支払能力を踏まえて、離婚の条件を取り決めるのがよいでしょう。
弁護士にご相談ください
以上のように、20代・30代の若年夫婦の離婚には、様々な問題が伴うものです。
離婚問題についてお悩みの場合には、専門家である弁護士にご相談いただくのがよいでしょう。
当事務所では、これまでに、離婚問題に関するご相談・ご依頼を多数お受けし、解決実績も豊富にございます。
ぜひ一度、お気軽に当事務所にご相談いただければと存じます。