離婚する前に別居状態となる夫婦も多く、財産分与の基準時が問題となることがあります。
財産分与の基準時には、財産分与の「範囲」の基準時と、財産分与の「評価」の基準時の2つが問題となります。
財産分与の範囲の基準時とは、結婚後、どの時点までに形成された財産を財産分与の対象にするかという問題です。
財産分与の評価の基準時とは、財産分与の対象となる財産について、どの時点の評価額を基準として財産分与を考えるかという問題です。

1 財産分与の範囲の基準時

財産分与の範囲の基準時は、一般的には別居時であると考えられています。
財産分与とは、夫婦が結婚期間中に協力関係のもとに形成した財産を、離婚時に公平に分配する制度です。
そのため、夫婦の財産形成に対する協力関係が一応終了したと言える別居時点を、財産分与の範囲の基準時と理解するのが原則となるのです。

ただし、別居後も配偶者が給料を管理していた場合や、別居後も夫婦が協力して事業を運営していた場合など、別居後も夫婦の財産形成に対する協力関係が継続していたと認められる事情がある場合には、別居後に形成された財産も財産分与の対象となる可能性があります。

なお、単身赴任の場合、別居婚(週末婚・通い婚)の場合、別居と同居を繰り返した場合の財産分与の考え方については、次の関連Q&Aをご参照ください。

【関連Q&A】
●単身赴任の場合の財産分与の基準時は?
●別居婚(週末婚・通い婚)から離婚する場合に財産分与は認められますか?
●別居と同居を繰り返した場合の財産分与はどうなりますか?

2 財産分与の評価の基準時

財産分与の評価の基準時は、実際に財産分与を行う時点となります。
財産分与時の評価額により清算することが公平であると考えられるからです。
そのため、離婚と同時に財産分与の取り決めをする場合は、離婚時が基準となります。
また、離婚後に調停や審判により財産分与を行う場合は、調停や審判における判断の直近の時点が基準時となります。