原則として2分の1ずつです。

これを「2分の1ルール」と言います。
給料をもらっていない主婦・主夫の場合でも、収入を得ている配偶者を支えて財産の形成に協力したものと評価され、2分の1ルールが適用されるのが原則です。

しかし、例えば経営者や医師などの専門職のように、夫婦の一方の特別な才覚や努力によって多額の財産が形成された場合は、2分の1ルールが適用されないことがあります。
この場合には、財産形成に対する貢献の大きい側が2分の1よりも多くの財産を取得できる可能性があります。
また、夫婦の一方の浪費が激しく、夫婦の財産を減少させた場合にも、2分の1ルールが適用されないことがあります。
この場合には、浪費をした側が取得できる財産は2分の1よりも少なくなる可能性があります。
財産分与の割合の変更については、単に高額所得者であるとか、浪費があったなどの事情だけで判断されるものではなく、財産分与の対象となる金額、夫婦双方の財産形成に対する貢献の内容・程度など、様々な事情を考慮して、割合を変更するかどうかが判断されます。

そして、夫婦の財産の形成に特有財産が寄与した場合には、寄与の程度に応じて財産分与の割合が変更されることがあります。
特有財産とは、結婚前から保有していた財産や、親からの相続・贈与により取得した財産など、夫婦の協力関係とは無関係に取得した財産のことを言います。
例えば、夫婦の財産の購入にあたり、夫婦で蓄えた預金等と、結婚前から保有していた預金等(特有財産)とが支出された場合には、特有財産を拠出した側が多くの財産を取得できる可能性があると考えられます。

また、結婚期間中に同居していない期間があった場合、その期間中の夫婦の財産形成に対する貢献度のバランスを考慮し、2分の1ルールを適用することにより不公平な結果となるのであれば、財産分与の割合が変更されることがあります。

さらに、専業主婦・専業主夫が離婚により生活に困窮するような事情がある場合には、扶養的な要素を考慮して2分の1ルールが修正され、専業主婦・専業主夫に財産が多く分与される可能性があると考えられます。
ただし、専業主婦・専業主夫であれば必ず扶養的な要素が考慮されるわけではなく、具体的に生活が困窮する程度を考慮して、ケースバイケースで判断されるでしょう。

Q&A一覧

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47 配偶者が私に無断で子どもを連れて家を出て、別居状態になりました。子どもの親権が欲しいのですが、どうすればよいでしょうか?
48 配偶者と別居中です。子どもは自分と同居しており、配偶者から子どもとの面会交流を求められているのですが、配偶者に子どもを連れ去られるのではないかと心配です。どのようにすればよいのでしょうか?
49 配偶者と同居していた家を出て、別居状態となったのですが、住民票は移すべきですか?
50 家庭裁判所調査官は、どのような調査をしますか?
51 家庭裁判所調査官とは、どのような人ですか?
52 家庭裁判所の調停の手続は、どのような流れで進んでいきますか?
53 家庭裁判所調査官の調査結果(調査報告書)は、裁判官の判断にどのような影響がありますか?
54 調停委員とは、どのような人ですか?
55 家庭裁判所の調停では、弁護士に依頼している場合でも、本人が裁判所へ出席する必要がありますか?
56 家庭裁判所の調停では、相手方(配偶者)と顔を合わせることになりますか?
57 相手方(配偶者)が遠方に住んでいる場合には、どこの家庭裁判所で調停手続が行われますか?
58 離婚の訴訟の手続では、弁護士に依頼している場合でも、本人が裁判所に出席する必要がありますか。
59 相手方(配偶者)が遠方に住んでいる場合には、どこの家庭裁判所で離婚の訴訟の手続が行われますか?
60 親権者を変更するためには、どのような手続が必要ですか?
61 離婚の訴訟の手続は、どのような流れで進んでいきますか?
62 親権者の変更は、どのような場合に認められますか?
63 収入が少なくても子どもの親権者になれますか?
64 うつ病などの精神疾患があっても、子どもの親権者になれますか?
65 夫からDV(暴力)を受けており、逃げ出したいのですが、まずはどのように動けばよいのでしょうか?
66 モラハラ(モラルハラスメント)とは?
67 GPSを使って配偶者の不倫・浮気の調査をすることは違法ですか?
68 モラハラ(モラルハラスメント)を理由として離婚を要求することはできますか?
69 モラハラ(モラルハラスメント)を理由として慰謝料を請求することはできますか?
70 夫婦いずれかの名義の事業用財産(自営業者の場合)は、財産分与の対象となりますか?
71 夫婦のいずれかが経営する会社・法人の名義の財産は、財産分与の対象となりますか?
72 子ども名義の預金は、財産分与の対象となりますか?
73 単身赴任の場合の財産分与の基準時は?
74 キャバクラ通い・スナック通いをしたことは、離婚や慰謝料請求の原因になりますか?
75 デリバリーヘルス(デリヘル)などの風俗を利用したことは、離婚や慰謝料請求の原因になりますか?
76 過去に不倫・浮気をしたのですが、配偶者から許しを得ました。その後、夫婦関係が悪化したので離婚を求めたいのですが、過去に不倫・浮気をした私からの離婚の請求は難しいのでしょうか?
77 配偶者が過去に不倫・浮気をしたのですが、一旦許しました。その後、夫婦関係が悪化したので離婚を求めたいのですが、配偶者の過去の不倫・浮気を理由とする離婚の請求は認められますか?
78 離婚の原因を作った責任がある側(有責配偶者)からの離婚の請求は認められますか?
79 夫婦の両方に離婚の原因を作った責任(有責性)がある場合、離婚の請求は認められますか?
80 不倫・浮気の事実を裏付ける証拠にはどのようなものがありますか?
81 養育費の標準算定方式による計算方法は?
82 婚姻費用の標準算定方式による計算方法は?
83 婚姻費用の金額は、どのようにして決めるのでしょうか?
84 婚姻費用の金額は、一度決めたら増額や減額はできないのでしょうか?
85 不貞慰謝料と離婚慰謝料の違いは?
86 円満調停とは?
87 肉体関係(性交渉・性関係)がないのに慰謝料を請求されています。慰謝料を支払う必要はあるのでしょうか?
88 不倫・浮気をした場合でも、子どもの親権者になれますか?
89 性格の不一致を理由として離婚することはできますか?
90 性格の不一致を理由として慰謝料を請求することはできますか?
91 離婚原因の「悪意の遺棄」とは?
92 離婚原因の「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」とは?
93 別居婚(週末婚・通い婚)から離婚する場合に財産分与は認められますか?
94 別居と同居を繰り返した場合の財産分与はどうなりますか?