事案内容:親権、面会交流
依頼者:30代の男性(会社員)
相手方:30代の女性(会社員)
結婚歴:7年
子ども:2人
1 夫婦の状況
依頼者と相手方(妻)とは、子どもの養育を巡ってけんかが多くなり、妻が実家へ帰り、自宅に戻らなくなったことで別居状態となりました。
夫婦別居後の子どもの養育については、依頼者と妻が、1週間交代で行っていました。
しかし、お互いの両親も交えて離婚の話し合いがなされる中で、子どもの前で妻が感情的になってしまったことをきっかけに、子どもが妻の実家へ行くことを怖がるようになり、依頼者のもとで生活するようになりました。
2 相談・依頼のきっかけ
依頼者は、妻が別居と同時に申し立てた離婚調停の申立書が届いたことを機に、当事務所にご相談に来られました。
「別居後、交代で監護をしていたが、子どもが妻の実家に行くことを泣いて拒否するようになり、交代での監護を続けるのが難しくなった。」、「いつも自分がそばにいて子どもの面倒を見てきたので、このまま自分が監護を続けたい。」とのご意向であったことから、当事務所にご依頼いただくこととなりました。
3 当事務所の活動
このまま監護を続けたいという依頼者の意向を踏まえ、当事務所は、子の監護者を依頼者と定めるよう求める調停・審判の申立てを行いました(なお、妻から申し立てられた離婚調停については、依頼者としては、できることなら夫婦関係をやり直したいとの思いもありましたが、話し合いを重ねる中で、離婚に向けた条件面の調整が主な争点となっていきました。)。
監護者指定の手続では、依頼者が同居中、子どもたちの食事や入浴、寝かしつけなど、日常の身の回りの世話を中心的に担ってきたことなどを具体的に主張・立証しました。
しかし、家庭裁判所調査官は、依頼者が同居中、子どものそばにいて世話をしてきたこと自体は認めつつも、これを監護実績として十分に評価せず、最終的には、幼い子どもたちの生活には母親である妻が担ってきた役割が必要であるとして、監護者を妻とすべきとの意見を示しました。
審判もこれに沿った内容となり、依頼者としては到底納得のいく結論ではありませんでした。
依頼者は、この判断を不服として即時抗告を行い、抗告審においても、同居中の監護実績や子どもたちの意向を踏まえた判断を求めて主張を尽くしましたが、結論は変わりませんでした。
この間にも、子どもの引渡しの場面で当事者間の感情的な対立が先鋭化するなど、これ以上争いを続けることが、かえって子どもたちの生活の安定を害しかねない状況にありました。
そこで、当事務所は、監護者・親権の獲得に固執するのではなく、依頼者が子どもたちと安定的かつ継続的に交流できる関係を築くことに方針を転換し、宿泊を伴う頻回な面会交流の実現に向けて、相手方側との協議及び裁判所の手続を活用していきました。
4 当事務所が関与した結果
最終的に、月1回、金曜日の夕方から翌々日の夕方までの2泊3日の面会交流に加え、ゴールデンウィーク、夏休み、冬休み、春休みなどの長期休暇中にも宿泊を伴う面会交流を実施すること、依頼者が子どもたちの運動会や入学式・卒業式、参観日等の学校行事に参加することを妻が認めることなど、充実した内容での面会交流の取り決めを実現することができました。
親権(監護者)の獲得という当初の最大の目的こそかないませんでしたが、それでも、依頼者が父親として、子どもたちの成長を継続的に見守り、関わっていくことのできる環境を確保することができました。
なお、その後、取り決めどおりに面会交流が実施されていることも確認しています。
また、子どもの病気の際は連絡を取り合って対応するなど、子どもたちの父親・母親として信頼関係を再構築していることも確認しています。
5 解決のポイント(所感)
監護者指定の審判、そしてその後の抗告審においても、残念ながら依頼者の希望どおりの結果を得ることはできませんでした。
しかし、依頼者の一番の願いは、子どもたちとの関係を絶やさず、その成長に関わり続けることにあると考え、監護者・親権の獲得にこだわり続けるのではなく、現実的な解決策として、面会交流の充実に方針を切り替えました。
その結果、月1回の宿泊を伴う面会交流に加え、長期休暇中の宿泊や学校行事への参加なども認められる内容で合意することができました。
依頼者からは、子どもたちの(母方)祖父母が育児のサポートを積極的に行ってくれていることについても、当初から理解を示しており、元妻の下で子どもたちが生活することに一定の安心感も持っていました。
親権や監護権の獲得という結果を得られなかった事案であっても、諦めずに交渉・手続を尽くすことで、子どもとの関係を将来にわたって守るための解決策を見出すことができることを示す事案であったと考えています。
6 お客様の声
約2年以上もお付き合いさせていただきました。
いつも対応も早く、心強く感じていました。
さまざま助けていただきありがとうございました。
また何かありましたら、ご相談したいと思います。

※クリックすると拡大されます。









