事案内容:離婚
依頼者:40代の男性(会社員)
相手方:50代の女性(パート)
結婚歴:23年
子ども:成人済み
1 夫婦の状況
依頼者は、単身赴任中に、ご自身の不倫・浮気を妻に疑われ、その後、夫婦間での会話が成り立たなくなり、離婚を前提とした別居の状態となりました。
2 相談・依頼のきっかけ
妻は弁護士に依頼し、依頼者と不倫・浮気を疑われた相手を被告とする慰謝料請求の裁判を提起してくるとともに、依頼者に対して財産分与を請求する離婚調停及び婚姻費用請求調停を申し立ててきました。
そして、依頼者は、上記の裁判手続及び各調停手続の対応について、当事務所にご相談・ご依頼されました。
3 当事務所の活動
(1)婚姻費用請求調停における活動
妻は、月額30万円の婚姻費用を請求してきました。
もっとも、この金額は、双方の収入に見合わない高額な請求だったため、当事務所の弁護士は、双方の収入に応じて適正な金額とすべきであると主張しました。
また、依頼者は、妻が住んでいる自宅不動産の住宅ローンを毎月支払っていたので、この点についても考慮すべきであると主張しました。
(2)離婚調停における活動
妻は、ローンが残っている自宅不動産について、ローンを妻が支払う代わりに、不動産の名義を、依頼者名義から妻名義に変更してほしいと主張してきました。
また、妻は、この主張に合わせて、自宅不動産は、オーバーローン(不動産の価値<ローン残高)の状態にあるため、妻が自宅不動産を取得するにあたって、依頼者に対して何らかの金銭を支払う必要はないと主張してきていました。
当事務所の弁護士が検討したところ、自宅不動産について、築年数や立地を考慮すると、アンダーローン(不動産の価値>ローン残高)であることが見込まれました。
そこで、当事務所の弁護士は、自宅不動産を妻が取得するのであれば、依頼者が代償金(不動産の価値からローン残高を控除した金額)を受け取る権利があることを前提に財産分与の金額を算定すべきだと主張しました。
また、妻は、別居後に、妻名義の預貯金口座から子ども名義の預貯金口座へ約580万円移動させていたので、当事務所の弁護士は、この預貯金も財産分与の対象とすべきだと主張しました。
(3)慰謝料請求の裁判における活動
当事務所の弁護士は、依頼者の認識に従って、一定の誤解を招く行動はあったものの、不倫・浮気の事実はないことを主張しました。
4 当事務所が関与した結果
(1)婚姻費用請求調停における結果
双方の収入額と、依頼者が住宅ローンを支払っていることが考慮され、月額6万円と定められました。
(2)離婚調停における結果
妻が住宅ローンを完済することを条件として、妻が自宅不動産を取得することとなりました。
また、当事務所の弁護士が主張したとおり、以下の2点が考慮され、依頼者が財産分与として一定額を受領することができる計算になりました。
・自宅不動産については、アンダーローンであり、依頼者が代償金を受ける権利があること
・妻名義の預貯金口座から子どもの預貯金口座に移された金銭について、財産分与の対象とすること
他方で、依頼者としては、不倫・浮気の事実はなかったものの、誤解される行動をしてしまったことを認めていました。
このような点を踏まえて、依頼者は財産分与として金銭を受領しない代わりに、慰謝料を一切支払わないという内容で、離婚調停が成立しました。
(3)慰謝料請求の裁判における結果
離婚調停の内容を考慮し、依頼者及び不倫・浮気を疑われた女性は、妻に何も支払う必要がないことを内容とする和解が成立しました。
5 解決のポイント(所感)
婚姻していた期間が相当程度長期化すると、財産分与の対象となるべき夫婦共有財産の金額も比較的大きくなることが多いように思います。
このような場合に、適切に財産分与が行われるためには、いつを財産分与の基準時とすべきか、適切に検討するとともに、夫婦共有財産から不自然に離脱している財産があれば、その財産も財産分与の対象に含めるべきだと主張していく必要があります。
また、配偶者から、不倫・浮気を疑われ、慰謝料請求の裁判が提起された場合には、この手続についても、適切に対応していく必要があります。
弁護士にご相談いただければ、複数の手続に対応していく際に、どのように対応していくべきか、具体的なアドバイスを受けて進めていくことができます。
離婚に関してお悩みの方は、一度、当事務所の弁護士にご相談いただければと存じます。










