事案内容:財産分与・婚姻費用・養育費
依頼者:30代の女性(給与所得者)
相手方:30代の男性(公務員)
結婚歴:5年
子ども:1人

1 夫婦の状況

依頼者は、夫の高圧的な言動や、偏見に基づく言動に耐えられなくなり、依頼者が家を出る形で別居に至りました。

2 相談・依頼のきっかけ

依頼者は、夫と離婚したいが、自分から離婚の話を切り出すと、拒絶されることが夫の普段の言動から想定できていたので、第三者に窓口となってもらい、子どもの親権は依頼者が獲得する内容で、離婚をしたいとのことでした。
初回の相談時、依頼者は、夫と同居していたので、本件のような場合、まず自身の生活が成り立つよう計画を立てて、別居しなければならないこと等を助言しました。
後日、依頼者から連絡があり、本日一緒に住んでいた家からでてきたこと、代理人として離婚の話し合いを進めてほしいとのことで、ご依頼いただきました。

3 当事務所の活動

当事務所の弁護士は、依頼を受けた当日に、夫が依頼者の居所等へ行かないよう、夫に架電するとともに、依頼者の離婚の意思を伝えるために手紙を送りました。
夫は、離婚する意思がないことを強く主張してきました。
当事務所の弁護士は、夫が、依頼者に対し、こちらが求めた婚姻費用の支払をすることを拒絶したため、まず、婚姻費用分担調停を申し立てました。
これに対し、夫は、子どもとの面会交流の調停を申し立ててきました。
その後、離婚しないという夫の考えが変わらなかったことから、協議離婚の成立は難しいと考え、離婚調停手続を申し立てました。
各手続において、こちらは、離婚すること、適正な金額の婚姻費用・養育費を獲得すること、適正に財産分与を行うこと、面会交流は月に1回程度とすることを主張しました。
他方、夫は、離婚に応じる意思はないこと、婚姻費用は月額6万円とすることをまず主張してきました。
また、仮に離婚に応じるとしても、養育費は月額3万円とすること、財産分与は双方の所持している車両をそれぞれが所有することとし、それ以外について財産分与は行わないこと、面会交流は月に2回程度とすることを主張してきました。

4 当事務所が関与した結果

当事務所の弁護士は、婚姻費用や養育費の金額は依頼者の生活に直結する事項であるため、依頼者と夫の収入を基に、緻密な計算をしたうえで適正な金額を算定し、請求していきました。
また、各事項について譲歩を求めてくる調停委員や夫に対し、夫がそもそも離婚したくないという意向だからといって、譲歩する理由にはならないこと等を何度も訴えかけ、粘り強く説得しました。
このような弁護活動の結果、以下のように、依頼者の希望に沿う内容と、適正な条件で、離婚が成立しました。
まず、婚姻費用については、別居後から依頼者が就職するまでの間について月額11万6000円、依頼者の就職後から調停成立時までの間について月額8万4000円と、相場どおりの金額で取り決められました。
次に、養育費については、月額5万円と、こちらについても相場どおりの金額で取り決められました。
また、財産分与については、双方が所持していた車に関する取り決めのほか、財形預金や将来支払われる退職金等の財産分与として、依頼者が290万円を取得する内容で取り決められました。
さらに、面会交流については、こちらの主張に沿った内容(月1回程度)で取り決められました。

5 解決のポイント(所感)

弁護士が対応窓口となることにより、金銭的な面だけではなく、自身の離婚に対する希望を、弁護士を介して配偶者に伝えることができ、また、疑問に思っていることや不安を解消しながら、離婚を進めていくことができます。
依頼者の心に寄り添い、適正な内容での解決を実現することが、弁護士の務めであると思います。

6 お客様の声

離婚のお手伝いを依頼するにあたって不安はありましたが、想像していたよりも話しやすい雰囲気で安心しました。
また、調停中は、無理に条件を下げたりすることなく、私の意向をその都度確認してすすめてくださり、とても信頼できました。
特に初めのうちの面会交流の心配を一つずつ親身になって丁寧に聞いてくださり、場所や、やり方について具体的に提案してくださいました。
法の流れだけでなく、人の心の流れにも寄り添ってくれる弁護士としても人としてもすばらしい方だと感じました。
数多くある弁護士事務所の中からこちらを選ばせてもたって本当に良かったと思います。
助けてくださってありがとうございました。
益々のご活躍、心よりお祈りしています。

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