事案内容:面会交流
依頼者:40代の男性(会社員)
相手方:30代の女性(会社員)
結婚歴:―
子ども:2人

1 夫婦の状況

依頼者と相手方(元妻)とは、子ども2人の親権者を依頼者とすることで、協議離婚が成立していました。離婚成立後しばらくすると、元妻から依頼者に対して、子らとの面会交流の要求が何度も来るようになりました。

2 相談・依頼のきっかけ

依頼者は、元妻への対応について、継続的に当事務所にご相談に来られ、当事務所の弁護士は、元妻への返答の内容や連れ去りの危険への対応などについて、状況に応じたアドバイスを行っていました。そうしたところ、元妻から、依頼者に対し、面会交流の調停が申し立てられました。家庭裁判所から調停申立書や期日呼出状などを受け取った依頼者は、「子ども達の気持ちや状況を、調停できちんと伝えられるのか不安」、「子ども達のことを考えて、会わせた方が良いのかどうか、自分だけでは判断がつかない」とのことで、当事務所に調停手続への対応をご依頼いただくこととなりました。

3 当事務所の活動

当事務所の弁護士は、第1回調停期日の前に提出する意見書の中で、本件は同居中に子らに対して虐待をしていた親からの面会交流の申立てであること、同居中の元妻の虐待や子らの気持ちについての検証は必須であることを主張しました。

第1回調停期日では、当初、調停委員は、元妻が子らに対して虐待をしていたというこちらの主張を、まるで信じていないかような態度で、とにかく会わせる方向での調整をしようとしてきました。当事務所の弁護士は、「一般論として、面会交流が子らの健全な成長にとって必要であることとは理解しているが、本件は、全く事情が異なる」、「同居中の元妻の虐待や、これが子らの心身に与えた影響について、もっと真剣に考え、検証してもらいたい」、「面会交流を実施するかどうかの話は、それからである」と伝え、現時点では、元妻と子らとを会わせる方向での調整は一切しないことを伝えました。

そうしたところ、まずは子らの元妻に対する気持ちを確認することからスタートするということとなりました。そして、子らの気持ちの確認の方法・確認の際の言い方などについて調査官と打ち合わせをした上で、第1回調停期日を終えました。

4 当事務所が関与した結果

第1回調停期日の後、依頼者が、調査官と打ち合わせをした方法・言い方で、慎重に子らの気持ちを確認したところ、子らの元妻に対する拒否感情は強いものでした。そこで、当事務所の弁護士は、第2回調停期日で、この強い拒否感情を伝えた上で、現時点で面会交流を実施することは子らの利益を害することを主張しました。

そうしたところ、元妻は、当面の間は面会交流を求めないことに同意してきました。そして、母子関係が完全に断絶してしまうことは子らにとって将来的にはマイナスになり得るという考慮のもとに、依頼者は元妻が子らに宛てて手紙を送ることは認めること、将来的には面会交流が実施できるように依頼者と元妻の双方が努めることを確認した上で、現時点での面会交流はしないことで合意し、調停は成立しました。

5 解決のポイント(所感)

家庭裁判所における基本的なスタンスは、子との面会交流を制限すべき具体的な理由がなければ、原則として面会交流を実施させる方向です。そのため、面会交流の制限を求める親は、制限すべき理由を証拠によって証明しなければなりません。子に対する虐待の過去があり、将来もその危険性が高い場合には、面会交流を拒否できる理由になることが明らかで、家庭裁判所も虐待は重く見ています。しかし、問題なのは、虐待の事実を証明できるかどうかであり、虐待の証拠を残していることはほとんどないと思われますので、十分な証拠を提出できることは多くありません。

本件では、離婚後に子らが少しずつ依頼者に話し始めた同居中の元妻の子らに対する言動(虐待の事実)や、子らの元妻への強い拒否感情、子らが怯えている状況を、調停の席で具体的に伝えたところから、明らかに調停委員、調査官の態度が変わりました。そして、最終的には、現在の子らの利益を第一に考えて、面会交流は当面実施しないことで解決することができました。

6 お客様の声

何もわからない調停で不安でしたが、色々親切にしていただいたり、わからない事をおしえてもらったりとても助かりました。あと調停では、とても心強かったです。ありがとうございました。

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