事案内容:離婚
依頼者:40代の女性(会社員)
相手方:40代の男性(会社員)
結婚歴:9年
子ども:2人
1 夫婦の状況
依頼者と夫は結婚から9年が経過していましたが、金銭感覚の違いや性格の不一致から、夫婦関係は次第に悪化していました。
依頼者に無断で子ども関連の手当を使われたりすることなどがあり、依頼者は夫に対する不信感を強めていました。
会話もほとんどなくなり、必要な連絡は携帯電話のメッセージのやり取りのみで済ませる状態が続いていました。
2 相談・依頼のきっかけ
依頼者は離婚の意思を固めていましたが、ご自身で直接夫に伝えても、話し合いがまとまらないことが予想されました。
そのため、依頼者は第三者の専門家に間に入ってもらいたいと考え、当事務所にご相談のうえ、離婚の対応をご依頼いただきました。
3 当事務所の活動
当事務所の弁護士が夫に対して受任通知を送付したところ、当初、夫は離婚に応じる意思を明確にせず、「もう少し時間がほしい」「子どもたちの将来を考えると、(依頼者の)ご両親とも話をすべきだと思う」などと述べ、話し合いは容易には進みませんでした。
しかし、当事務所の弁護士は、夫の言い分の一つ一つに丁寧に耳を傾けながらも、依頼者の離婚意思が変わらないことを一貫して伝え続けました。
また、依頼者に対しては、時間がかかったとしても必ずゴールにたどり着けることを説明し、励ましながら手続を進めました。
交渉の過程では、夫から、退去費用の負担、面会交流の頻度・方法、子どもの学校行事等への参加、婚姻費用・養育費の金額、固定資産税の負担、子ども名義の預金の管理方法など、多岐にわたる要望が次々と出されました。
当事務所の弁護士は、これらの要望のうち、依頼者に大きな負担を生じさせないものについては柔軟に応じつつ、行き過ぎた要求に対しては適切に交渉し、依頼者の意向を丁寧に反映させながら条件を一つずつ詰めていきました。
また、自宅不動産については、依頼者が取得を希望していましたが、夫婦の共有名義であるうえ、住宅ローンについても夫婦の連帯債務となっていたため、財産分与に伴う持分の移転登記に加え、夫を住宅ローンの連帯債務から外すための借り換え手続にも対応する必要がありました。
そこで、当事務所の弁護士は、夫に必要書類の準備を依頼して取得し、不動産を依頼者の単独名義とすることや、住宅ローンについても夫が連帯債務者から外れる形での借り換えの手続を進めていきました。
さらに、夫には自宅から退去してもらう必要があったことから、退去に伴う敷金・礼金・引越費用等の負担についても交渉し、円滑な退去の実現に向けて活動しました。
4 当事務所が関与した結果
粘り強い交渉を重ねた結果、ご依頼から3か月ほどを要したものの、最終的に夫との間で離婚協議書を取り交わし、夫から署名済みの離婚届を取得して、無事に協議離婚を成立させることができました。
財産分与として自宅不動産の夫の持分は依頼者に移転され、住宅ローンについても借り換えにより夫の連帯債務が解消されました。
離婚協議書の取り交わしとほぼ同時期に、夫には予定どおり自宅から退去してもらうことができ、養育費や面会交流の取り決めについても、子どもの福祉に配慮しつつ、依頼者のご希望に沿った内容で合意することができました。
5 解決のポイント(所感)
本件は、夫が離婚そのものに強く抵抗することはなかったものの、様々な要求を次々と出してくるタイプの事案でした。
このような場合、一つ一つの要求を無視したり、一律に拒否したりすると、かえって話し合いが長期化するおそれがあります。
そこで、当事務所の弁護士は、夫の話に丁寧に耳を傾けながら、依頼者に負担のない範囲では柔軟に応じる一方で、離婚の意思だけは一貫して伝え続けるという方針で対応しました。
あわせて、依頼者に対しては、時間がかかっても必ずゴールにたどり着けることを説明し、励まし続けました。
さらに、共有名義・連帯債務の住宅ローン付き不動産という、財産分与の中でも処理が難しくなりがちな問題についても、夫からの書類の取り付けといったやり取りを含めて丁寧に対応し、円滑に解決することができました。









