事案内容:離婚
依頼者:50代の女性(無職)
相手方:60代の男性(無職)
結婚歴:35年
子ども:成人済み

1 夫婦の状況

相手方である夫は、10年ほど前から浪費をするようになり、依頼者に生活費を渡さなくなりました。
そのため、依頼者は、実家へ戻って生活するようになりました。
その後も、相手方は自身の行動を省みることなく、そのまま別居生活が続いたため、依頼者の家族も含めて話し合いました。
しかし、まともに話し合いにならなかったことから、依頼者は、相手方との離婚を決意しました。

2 相談・依頼のきっかけ

依頼者は、当初、ご自身で離婚調停および婚姻費用分担調停を申し立てました。
しかし、相手方である夫は、裁判所から送付された調停申立書類を受け取りながら、調停には全く出席せず、そのまま調停不成立となりました。
このようなことから、裁判をしなければ離婚をすることができないため、当事務所に離婚裁判(離婚訴訟)をご依頼いただくことになりました。

3 当事務所の活動

当事務所の弁護士は、すぐに家庭裁判所に離婚裁判を申し立てました。

4 当事務所が関与した結果

しかし、相手方である夫は、調停のときとは異なり、裁判所から送られた訴状さえ受け取らなかったため、裁判の手続きをなかなか進められませんでした(裁判所から相手方へ訴状が送達されなければ、裁判の手続きを進められないのが原則です)。
そのため、当事務所の弁護士は、相手方である夫の住所を訪ね、居留守を使っていることを調査し、その調査結果を裁判所に報告して、訴状を付郵便送達で送達するよう申し伝えました(付郵便送達というのは、実際に書類を受け取らなくても、裁判所が郵便を発送した時点で相手方に送達が完了したとみなす送達方法のことを言います)。
その結果、裁判所もこれを認め、無事、付郵便送達の方法で送達することができました。
そして、ようやく裁判を進められるようになりました。
その後行われた裁判所での手続きにおいても、相手方である夫は、裁判所に出席しなかったため、欠席判決となり、離婚を認める判決を獲得することができました(相手方が裁判所での手続きに出席せず、反論の書面も提出しなかったときは、こちらの言い分に沿った判決が出されます。これを欠席判決と言います)。

5 解決のポイント(所感)

配偶者と話し合いにならない場合には、離婚届にサインしてもらうことができないため、調停などの裁判所での手続きを行う必要があります。
もっとも、ごくまれに裁判所からの通知すら無視する人もいます。
このような場合には、離婚裁判を起こさなければ離婚をすることができません。

裁判手続きは、調停手続きよりも専門的な手続きであるため、弁護士によるサポートの必要性が大きいと考えられます。
本件では、相手方である夫の所在調査を行う必要があるなど予想外の出来事はありましたが、当事務所の弁護士の的確な対応により、離婚裁判の申立てから約3カ月で離婚を認める判決を獲得することができました。