事案内容:親権
依頼者:40代の男性(会社員)
相手方:20代の女性(パート)
結婚歴:4年
子ども:1人

1 夫婦の状況

依頼者は、性格の不一致、妻と同居している依頼者の姉との不和などから、妻が子どもを置いて家を出ることで、別居に至りました。
別居後、妻は、妻と子どもの住民票を勝手に異動させ、依頼者からDVの被害を受けたとして、警察に虚偽の届出をしていました。

2 相談・依頼のきっかけ

依頼者は、親権者を自分とする内容で離婚したいが、妻がどこにいるか調べることができず話し合いができないとのことで、ご相談・ご依頼いただきました。

3 当事務所の活動

当事務所の弁護士が介入し、裁判所に離婚調停を申立てるとともに、裁判所の調査嘱託手続を利用し、妻の住所の特定をしました。
これに対し、調停離婚を申し立てた直後に、妻から、配偶者暴力等に関する保護命令申立事件が申し立てられました。
もっとも、そもそも依頼者が、妻に近づく意思がないこと等を明らかにしたため、この事件については妻から事件の取下げがありました。
さらに、妻は、配偶者暴力等に関する保護命令申立事件を申し立てるのに合わせて、子どもの監護者の指定、子どもの引渡しを申し立ててきました。
この手続の過程で、妻は依頼者のDVや、ネグレクト等を主張してきましたが、妻の主張は事実ではないことを徹底的に主張しました。
また、別居前から現在に至るまでの養育環境を丁寧に説明し、妻が子どもを養育することが不適切である旨を主張しました。
そしてこれを裏付けるために、家庭裁判所調査官の家庭訪問への立会い、子どもの養育状況を知っている近隣の方から話を聞いた内容をまとめた陳述書や依頼者宅の状況をまとめた報告書等を家庭裁判所に証拠提出するなど、子どもの養育環境を裁判官に理解してもらうよう様々な活動を行いました。

4 当事務所が関与した結果

家庭裁判所調査官による調査報告書では、妻が主張するようなネグレクトと言える状況は見当たらず、依頼者の監護下での子どもの心身の発達に問題は見当たらないなどの点が挙げられ、監護者を依頼者から妻に変更すべき事情は認められないとの調査報告書が出されました。
この調査報告書の内容を踏まえて、当事務所の弁護士は、裁判官や妻の弁護士と協議した結果、子どもの親権者を依頼者とすることを内容とする離婚調停を成立させるとともに、妻からの子どもの監護者の指定、子どもの引渡しの申立てを取り下げさせる形で、解決に至りました。
このように、当事務所の弁護士の関与により、子どもの引渡しを防ぐとともに、依頼者が子どもの親権者とする離婚を成立させたことで、子どもの親権を確保し、離婚するという依頼者のご希望を実現することができました。

5 解決のポイント(所感)

親権が争われる場合、それまで主に誰が子どもの面倒をみていたかが重要なポイントとなります。
そのため、父親を親権者とする判断になりづらいというのが現状です。
しかし、本件のように同居時や別居後の子どもの養育環境を粘り強く主張していくことで父親でも親権者として適当と判断されることもあります。
離婚に伴って、親権が争いになりそうな場合や、現に争われている場合、諦めるのではなく、まずは離婚や親権の問題に詳しい弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。

6 お客様の声

先生方のおかげで大切な娘とこれからも夢を追いかけることができます。
心より感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。

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