事案内容:慰謝料
依頼者:40代の女性(給与所得者)
相手方:50代の男性(給与所得者)
結婚歴:16年
子ども:1人

1 夫婦の状況

依頼者は、夫以外の男性との不貞行為が夫に発覚したことを機に、夫から制裁的にDV(配偶者暴力)を受けるようになりました。
そこで、依頼者は、警察に夫からのDVについて相談のうえ、夫と同居していた家から避難して親族宅に身を寄せ、離婚前提での別居を開始しました。

2 相談・依頼のきっかけ

依頼者は、別居を開始して程なく、当事務所にご相談にお見えになりました。
そして、保護命令の申立ての手続と、その後の離婚調停・訴訟の手続について、ご自身だけで対処していくのは困難とのことで、当事務所にご依頼いただきました。

3 当事務所の活動

当事務所の弁護士は、ご依頼いただいた2日後には地方裁判所に保護命令の申立てを行いました。
そして、地方裁判所での審尋の手続(裁判官による当事者からの意見聴取の手続)を経て、申立てから2週間程度で保護命令が発令されました。

保護命令が発令されたあと、当事務所の弁護士は、離婚とDVによる慰謝料の支払を求めて、速やかに家庭裁判所に離婚調停を申し立てました。
なお、離婚調停を申し立てた段階から、夫側でも弁護士を立ててきました。
離婚調停において、夫は、離婚には応じるとの意向を示しましたが、自身のDVのほとんどを否認して、依頼者からの慰謝料請求を徹底的に争い、逆に依頼者の不貞行為などを理由として、一方的に多額の慰謝料を支払うことを要求するなど、非常に強硬な態度を取り続けました。
そこで、当事務所の弁護士は、依頼者とも協議のうえ、離婚調停の席での話し合いによる解決は困難であると判断し、離婚訴訟での解決を図ることとしました。

離婚調停が不成立に終わったあと、当事務所の弁護士は、離婚とDVなどによる慰謝料の支払を求めて、速やかに家庭裁判所に離婚訴訟を申し立てました。
これに対して、夫からは、離婚と不貞行為などによる慰謝料の支払を求めて、反訴(訴訟を提起された側が、逆に訴訟を提起した側を相手取って訴訟を申し立てること)が提起されました。

4 当事務所が関与した結果

離婚訴訟では、依頼者と夫の双方が弁護士を通じて、自身の言い分とそれを裏付ける証拠を提出するなどして審理が進み、裁判所から和解案が提示されることとなりました。
裁判所からの和解案は、依頼者に不貞行為があった一方、夫にもDVがあったことを前提として、双方の慰謝料の支払をゼロとする条件での提示でした。
裁判所からの和解案は、依頼者として許容できる条件であったため、当事務所の弁護士は、依頼者の意向に従って、裁判所からの和解案に応じるとの回答をしました。
そして、夫側も裁判所からの和解案に応じるとの回答であったため、双方が慰謝料の支払額0円の条件での裁判離婚が成立しました。

5 解決のポイント(所感)

本件は、保護命令の申立てから、離婚調停、そして離婚訴訟まで、当事務所の弁護士がフルサポートさせていただいた案件でした。
夫側の態度が強硬であったことから、離婚訴訟にまで発展しましたが、離婚訴訟自体は計画的な審理の進行が図られたことで、約半年での終結となりました。
また、手続の最初から最後まで、当事務所の弁護士が粘り強くサポートさせていただいたことで、お客様が納得できる内容での最終的な解決を図ることができました。

6 お客様の声

最初に電話した時の担当スタッフの方の対応は、本当にすばらしく、何もわからない私にとってありがたい対応でした。
担当して下さった木村弁護士も、ていねいで、金銭的にも、親身な対応、結果、私の意向にそっていただける解決方法でありがたく思います。
時間はかかりましたが無事終えることができ、ありがとうございました。

アンケート56
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